男性は火星から、女性は金星からやってきた
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1.はじめに
2.男性は解決したがり女性は小言を言いたがる
3.男性は一人になりたがり女性は話したがる
4.相手をやる気にさせるには
5.どうしたら言葉のすれ違いをなくせるか
6.親密になるには─男性の場合
7.親密になるには─女性の場合
8.男性と女性の主な必要は違うのです
9.口論しないために
10.相手に好かれるには?
11.相手に不満を伝えるには?
12.男性のサポートを得るには?
13.愛情を保ち続けるために
1.はじめに
恋愛結婚をした人はきっと、互いのことが好きで好きでしょうがなかったのではないでしょうか。
初めのうちは。
結婚して一緒に生活するようになると、相手のいやなところが見えてくる。
仕事や育児でストレスが溜まれば、相手にやさしくし続けることができないときもある。
思ったことをそのまま言葉にして傷つけ合えば、初めの愛情も冷めてしまうでしょう。
互いのことをいつまでも好きでいたいと思いませんか?
"Men are from Mars, Women are from Venus" (John Gray) という本があります。
90年代のベストセラーのひとつだったそうです。
この本のメッセージは、男性と女性は根本的に違うもので、この違いを理解することによって、結婚生活を豊かにすることができる、というものです。
相手のことを理解しないがために余計に苛立ち、余計に傷つき、余計な喧嘩をしてきたとしたら…
まだ互いを好きで好きでしょうがなかったときに、この本を二人で読んでおけば…おそらく多くの人のその後の結婚生活が変わっていたのではないか、と僕は大げさながらにも思っています。
もちろん読むだけでなく実践しなければ意味がありませんが。
結婚生活がうまくいかない根本的な問題は、人は誰も自分勝手なこと。
それでも誰かを好きになったときには、人は自分でなく他人のことを思いやることができる。
その状態を長く続けることができたなら、きっと違った関係が築けたのではないでしょうか。
もしまだ互いに良い関係を築きたいと願うことができるなら、まだ遅くはないと思います─思いたいです。
これからこの本のメッセージをまとめてみようと思います。
当然、洋風の考え方で、日本の方には当てはまらないことも多分にあるとは思いますが...
2.男性は解決したがり女性は小言を言いたがる
男性がなにか問題があったことを話すとき、男性は普通、同情よりも問題の解決策をまず求めるそうです。
女性がなにか問題があったことを話すとき、女性は普通、問題の解決策よりも同情をまず求めるそうです。
だから例えば、妻が夫になにか、これこれこういう問題が今日あった、という話をすると、夫はよく聞きもしないで、こうすればよかったじゃないか、ああすればよかったじゃないか、と言う。
こういう夫は相手を愛していないわけではなく、自分なりに相手を想って解決策を提案しているのに、妻は相手が自分の話をしっかり聞いてくれない、自分の辛かったことを理解してくれない、と思うようになります。
妻が続けて問題の話をすれば、自分の解決策は役立たずだと言われんばかりに夫も、妻が自分の能力を認めてくれていない、と思うようになります。
問題は相手がどんな考え方をするのか互いに理解していないこと。
この場合は特に男性が、親身になって話を聞いてあげることがいかに女性にとって大事なことか、まず理解するべきです。
しっかり相手を見つめ100%自分の注意を向けて話を聞いてあげることで、相手はあなたの深い愛情を感じることでしょう。
〜〜〜
相手の困っていること、足りないところ、向上できそうなところに自分から気づいて相手に助言をすることを女性は美徳だと思うそうです。
愛している相手をより良くしようと、普通、小言を言うのです。
ところが男性は頼まれもしないのに誰かから、こうすればいい、ああすればいい、と言われることは、なにか自分が足りないものであると言われたみたいで大変、傷つきます。
だから例えば、夫が運転して道に迷った時、夫はなんとか自分で問題解決しようと試みますが、そこで妻が「誰かに道を聞いてはいかが?」と「助言」することは、なんの解決にもならないばかりか─夫もそんなことは分かっているけど、できることなら自分で解決したいと躍起なのです─自分の能力が信頼されていないと思ってしまうのです。
この場合は特に女性が、相手が一生懸命問題を解決しようとしているときに余計な口をはさまず、小さなミスは受け入れてあげるべきです。
〜〜〜
この本のアドバイスです。
もしあなたが女性なら、次の一週間、求められもしないのに助言することや小さなことを批判することを全くやめてみましょう。相手はきっと自分が受け入れられていることであなたに対する愛を示すようになるでしょう。
もしあなたが男性なら、次の一週間、相手が話している時いつでも、自分の注意のすべてを向けて、相手がなにを分かってもらいたいのかを理解することに努めましょう。相手はきっと自分が理解されていることであなたに対する愛を示すようになるでしょう。
"Men are from Mars, Women are from Venus" (John Gray) 第2章 "Mr. Fix-It and Home-Improvement Committee" からでした。
(はじめ注:では相手にどうしてもして欲しいことがあったとき、どうするか、は4章、11章、12章で話題になります。当然、個人個人でバラエティがあるべきで、同情をまず求める男性とか小言を嫌う女性とかいるわけですけど、一般論としてだいたい合っているような気がします。みなさん、どう思われますか? )
3.男性は一人になりたがり女性は話したがる
まだ互いのことが好きで好きでしょうがない時、相手が原因でストレスがたまることは少ないです。
それでも他の原因で─仕事、家事、人間関係、妊娠、出産、育児などなど─ストレスがたまったとき、自分のパートナーに対しどう接するかで、互いに助け合う夫婦になるのか、傷つけあう夫婦になるのか、決まってしまうかもしれません。
〜〜〜
一般的に、男性と女性とではストレスの対処の仕方が違うそうです。
男性は一人になりたがり、女性は誰かと話したがる。
忙しい一日が終わった時、男性は一人でニュースでも読むことでリラックスしたがります。
忙しい一日が終わった時、女性はその日の問題を誰かに話すことでリラックスしたがります。
そういう二人が忙しい一日を終え、一緒の時を過ごそうとすると、なかなかうまくいきません。
夫は妻がしゃべりすぎると思うし、妻は夫に無視されているように感じるのです。
男性は普通、自分の問題を話したがりません。問題があってイライラしているのに、なにが問題なのかを話そうとしないのです。
問題があるとき人に話したがる女性は、このような男性の心理を理解しません。
イライラの原因が自分にあるのか?なぜ自分が無視されるのか?理解出来ない女性は、自分は愛されていないと感じるようになります。
女性は普通、自分だけの問題でなくいろいろな問題があることを話したがります。いろいろな問題があることを話すこと自体がストレスの解消になっているのです。
問題があるとき人に話したがらない男性は、このような女性の心理を理解しません。
なぜそんなに不満があるのか?自分はそんなに足りないのか?理解出来ない男性は、自分は愛されていないと感じるようになります。
互いの違いを理解しないと、二人の間の葛藤は少しずつ衝突/対立となっていきます。
〜〜〜
どれだけ互いに対する愛情があっても、なかなかこの問題を解くことはできません。
どれだけ互いに相手のことを理解しているかがこの問題を解くカギになります。
女性は男性がストレスに陥っている時、男性が一人でリラックスすることが必要であることを理解しなければなりません。一人になりたがることは、愛情のなさの表れではなく、男性のストレスに対する対処の仕方であることを理解しましょう。
男性は女性がストレスに陥っている時、女性が問題について聞いてもらうことが必要であることを理解しなければなりません。自分ではどうしようもないような問題をいくつも話したがることは、愛情のなさの表れではなく、女性のストレスに対する対処の仕方であることを理解しましょう。
"Men are from Mars, Women are from Venus" (John Gray) 第3章 "Men Go to Their Caves and Women Talk" からでした。
(はじめ注:当然一人になりたがる女性や話したがる男性もいるわけですが、大事なのは相手のストレスに対処する仕方を理解してサポートしてあげることです。次回は「どうしたら自分のして欲しいことを相手にやる気にさせるか」です。 )
4.相手をやる気にさせるには
どうしたら相手をやる気にさせることができるでしょう?
一般的に、男性は必要とされること、評価されること、感謝されることがやりがいとなるそうです。
一般的に、女性は満たされること、大事にされること、仕えられることがやりがいとなるそうです。
〜〜〜
男性は誰かに必要とされた時、そのお願いをやり遂げることがやりがいとなります。
なにもお願いされなかった時、男性はなにもやる気になりません。
お願いをやり遂げた時、感謝も評価もされなかった場合、次のお願いをやる気もうせてしまいます。
ここが難しいところなのですが、男性はお願いをされるのは、嬉しいものですが、誰かに要求されることは嫌います。
女性は、言われなくてもいろいろなことに気づいて、自分からあれをしたりこれをしたりすることが、愛情の現われであると考えがちです。
仕えられることが愛情であると感じている女性は、自分も相手に仕えようとするからです。
そういう女性は、男性も、女性がなにも言わなくても、自分から気づいていろいろなことをしてもらうことを、無意識のうちにも期待してしまいます。
愛しているなら、自分がなにを言わなくても、相手が自分に仕えてくれるべき...
ところが男性には、自分から進んで、という部分が生まれつき欠けています。
「お願い」しなければ、なにも自分から進んでやろうとはしないものなのです。
相手が言われなくても自分から気づいてことを行うべきだ、と考えている女性は、男性が言われなければ何もしないことに大変不満を持ち、「お願い」をしなければならないこと自体に不満を持ちます。
そういう女性はいざ、「お願い」をしようと口を開くと、「お願い」ではなく、あなたは当然これをするべきだ、という「要求」の口調になってしまいます。
男性は要求されることを大変嫌います。あなたは当然これをするべきだ、気がつきもしなかったあなたはなんという能無しでしょう、というメッセージを受けてしまった男性は小さなことでも、ムッとして要求を呑みにくくなります。
女性は「お願い」と「要求」をはっきりと区別しなければなりません。
お願いするなんて、プライドが許さない、男女平等で、私がお願いもされないのにこれだけやってるんだから、夫も私がお願いしなくても、これだけやるべき、という考え方は男女の根本的な違いをまったく無視していて、多くの場合うまくいきません。
(はじめ注:では、どうやって今まで「要求」してきたことを「お願い」に変えていくのか、どうやって上手に「お願い」するのか、「お願い」を聞いてもらえないとき、どうするのか、は 12章の話題です)
〜〜〜
いくつかのいずれか青いやつであるかどうかは良く知ら方法について説明します。
女性は誰かに満たされた時、自分から進んで相手にいろいろなことをしようとします。
まだ相手のことが好きでしょうがない時、女性は、好き、という気持ちで満たされています。
ところが男性は、女性が感謝もされないのに、自分からいろいろなことをするのは、無意識のうちにも、女性がそれをすること自体が好きなのだろうと、当然のように受け止め、必ずしも女性の愛情を感じることはありません。
そういう男性は、女性に感謝することはあっても、自分から仕え返そうとはしないのです。
そういうことを続けていれば、いずれ女性は疲れてしまい、好き、という感情もなくなり、男性に仕えることもわずらわしくなっていきます。
男性は、どんな小さなことでもいろいろなことを定期的に女性に仕え返すことが、いかに女性にとって愛情を感じることであるかを、理解しなければなりません。女性は満たされ続けなければいずれやる気を失ってしまうでしょう。
〜〜〜
もしあなたが女性なら、次の一週間、相手がいつもしてくれることに対してまずお願いをする練習をしてみましょう。相手がしてくれたら少し大げさなくらい感謝を言葉と態度で表してみましょう。相手はきっと自分が頼られていることであなたに対する愛を示すようになるでしょう。(いままでしてくれなかったことをお願いするステップは 12章の話題です。)
もしあなたが男性なら、次の一週間、相手に言われる前に、ミスする可能性の少ないことから積極的に相手に仕えてみましょう。どんな小さなことでも、相手はきっと自分が大事にされていることであなたに対する愛を示すようになるでしょう。
"Men are from Mars, Women are from Venus" (John Gray) 第4章 "How to motivate the opposite sex" からでした。
5.どうしたら言葉のすれ違いをなくせるか
男性は言葉を用いて主に事実を伝え、理解しようとします。
女性は言葉を用いて主に感情を伝え、理解しようとします。
〜〜〜
例えば妻が、
「あなた、私の話を全然、聴いていないじゃない。」
と言った場合、夫はなんと答えるでしょうか。
「少しは聴いているだろう?」
と答えた夫は妻の考え方をまるで理解していません。
事実はおそらく夫は少しは妻の言葉を聴いていたのでしょう。
夫は妻が「全然」と言ったので、それに答えて「少しは」と答えました。
しかし妻は「話を全然、聴いていないじゃない」という言葉で、夫の聴いている程度が知りたかったのではなく、夫に自分の話を十分に聴いてもらっていないと感じている、という自分の感情を夫に分かってもらいたかったのです。
この場合「全然」とか「みんな」とか「いつも」とか言う言葉を女性は自分の想いを強調するために用いているのであって、それに対して、揚げ足を取るごとく、言い返すことはまったく役に立ちません。
夫は「話を全然、聴いていないじゃない」という妻の言葉から「あなたが私の伝えたいことを本当によく理解してくれていると、私には感じられない。私の伝えたいことをどうかよく聴いて理解して欲しい」という妻の想いを理解しなければなりません。
逆に妻が夫に分かりやすいように、自分の想いを比ゆ的でなく直接的に伝えるなら、相手に自分の感情を理解してもらいやすくなることでしょう。
〜〜〜
女性は思ったことをそのまま口にしながら考えをまとめようとする傾向があります。
男性は思っていても口にせず、自分の考えをまとめてから言葉にする傾向があります。
夫と妻が話をしているとき、時折、夫がまったく黙ってしまうことがあります。
多くの場合、夫は頭の中でなにを言おうか考えているだけなのですが、妻はこの沈黙を無意識にも、なにか自分がまずいことを言った、と思ってしまうようです。
こういうとき、妻は夫が考えていることを尋ねることで、自分を安心させようとし、相手の考えをまとめる助けになるだろうと質問を続けますが、夫は考えがまとまる前に尋ねられることを嫌い、質問が続けばいつまでも考えがまとまりません。
妻は夫が自分一人で頭の中で考える時間が必要であること、時には数分でも数時間でも答えを待つことが求められことを理解しなければなりません。
逆に夫が妻に「今、考えているから」と伝えるなら、妻が待っている間、余計な心配をさせずにすむことでしょう。
"Men are from Mars, Women are from Venus" (John Gray) 第5章 "Speaking Different Languages" からでした。
6.親密になるには─男性の場合
一般的に女性は好きな人とはいつでも一緒にいて話しをしたい、と思うそうです。
一般的に男性は好きな人でもたまには距離を置いて一人で過ごしたい、と思うそうです。
〜〜〜
好きあっていたはずの男性が急に冷たくなり、話してもしっかり聞いてくれないし、一緒にいるのを避けようとしたりすることがないでしょうか?
そんなとき多くの場合、男性は相手のことが嫌いになったのではなく、なぜだかは自分でも分からないけど、一人になりたい、という気持ちがとにかく強くなるそうです。
好きな相手とはいつでも一緒にいたいと思う女性は、このような男性の心理を理解できません。
しかし、これは男性の特質とでもいうべきで、相手への愛情の度合いとは関わりなく発生します。
これは男性が自主性を取り戻すため行動であるという心理学者もいます。
例えれば、男性はゴムひものようなもので、時に離れては行くけれどゴムが伸びきるまでには突然もとに戻ってきて、前と全く同様の愛情を示すことができるそうです。
普通、気持ちの切り替えに時間がかかる女性には、今まで冷たかったのに急に優しくなれることも到底理解できません。
男性が突然あたかも自分との関係に興味を示さないようになったとき、自分のなにが悪いのかとパニックに陥ります。
相手を離すまいと「どうして一緒に時間を過ごしてくれないの」とか「私の何が悪いの」とか言うことは全く役に立ちません。そのような言葉はむしろ男性が一人で過ごす時から戻ってくるまでの時間を長くしてしまいます。
一人で過ごす時間を認め、行かせてあげると、あたかもゴムひもが弾力で戻ってくるようにしばらくして男性は自分のもとへ帰ってきます。
一人で時間を過ごすことを認めず、相手に傷つけられたと思っている女性は、男性がいざ帰ってきたとき、恐れと、不安と、やり返したい気持ちでむしろ話したがらなくなるものですが、男性と話をする最良の時は実にこの時です。
〜〜〜
どうしたら男性と親密な話ができるでしょうか?
一般的に男性は普段あまり自分の感情を言葉にしません。そういう男性が、自分の感情の深いところをストレス無く話せるようになるには、言わば、女性になれ、と言っているのと同じようなもので、到底一晩では成しえません。
ここでは女性の側の理解と忍耐が必要になります。
薦められるステップは以下の通りです。
1.相手が話しを始めてくれることを期待せず、自分から話す努力をしましょう。もし相手が乗り気でなかったら、非難せず受け入れて次の機会を待ちます。
2.話を聞いてくれそうだったら、質問はできるかぎりせず、ただ話を聞いてくれることが、自分にはとても大事であることを、伝えましょう。男性は話をすること自体が有意義であることをまず学ばなければなりません。相手が話を聞いてくれたことを評価して感謝します。
3.話が弾んでくるようだったら、なにか共通の話題─たとえば子供のことなど─に触れてみます。相手に質問ができるようになるのはこのときです。相手の答えが短くてもがっかりせず、少し間を置くくらいに相手の答えを待ってみましょう。非難することはできるかぎりさけましょう(相手が好まないことを伝えるステップは11章になります)。
4.相手の気持ちを知ることが、自分にとってどんなに大切なことかを相手に伝えて、相手の気持ちを聞いてみます。もし相手の素直な気持ちが聞けたなら、そのことについて評価と感謝をします。相手が突然ふさぎこんでもがっかりせず、そのような場合には次の機会を待ちましょう。
"Men are from Mars, Women are from Venus" (John Gray) 第6章 "Men are Like Rubber Bands" からでした。
(はじめ注:多分に洋風です。日本の人には当てはまらないかも...)
7.親密になるには─女性の場合
女性の感情が必ずしも好きな相手の言動によらないで、上がったり下がったりすることがあります。
例えば夫婦/親子の関係も良好、経済的/精神的にも大きな問題がありそうにないのに、妻が不安になったり不平をこぼしたりすることがないでしょうか。
女性はいろいろな小さなことが原因で、また必ずしもはっきりした原因があるわけでもなく、落ち込むことがあります。
これは女性の特質とでもいうべきで、相手への愛情の度合いとは関わりなく発生します。
ところが夫は普通、妻が不安になったり不平をこぼしたりすることは無意識にも自分の責任ではないか、と考えます。
自分ではなんの問題もありそうにないと思っているのに妻が不平を言う場合、夫は一体どうすれば良いのか分からず、余計に苛立ってしまうのです。
例えれば、女性は波のようなもので、気分の良い時と落ち込む時が交互に必ず現れるそうです。
普通、はっきりとした理由がなければ落ち込むことのない男性には、女性が漠然と落ち込んでしまうことが理解できません。
女性が突然あたかもなにもかもがうまくいっていないと不平を言い出すのは、自分のなにが悪いのかとパニックに陥ります。
落ち込んだ時どちらかといえば一人になりたがる男性は、女性が誰かと話したがることも理解しにくいです。間違って、そういうときには一人にしておいた方が良い、と思ってしまいます。
このようなとき「自分がこれだけ頑張っているのだから文句を言うべきでない」とか「自分の何が悪いのか」とか言うことは全く役に立ちません。女性は自分の感じていることを否定されると、相手が自分を理解してくれないと見捨てられたような思いになります。
女性がそのように感じるべきではない、と理由を並べるより、まずは女性の感じていることに同情する努力をしましょう。それはとにかく女性の話を聞いてあげることでもあります。
以下のことに注意しましょう。
1.どんなに自分の愛を示して、相手を大事にしているつもりでも、女性には落ち込む時があることを理解しましょう。女性は自分の足りないところにまで言及するかもしれませんが、必ずしもそれだけが原因ではないのです。
2.自分ではどうしようもないこと─例えば過去に起こったこと─について落ち込む場合、同じ問題について何度も同じように落ち込むことがあるでしょう。前に一度話したのだから、この問題については落ち込むべきではない、という考えは女性の助けになりません。同じ問題について何度でも聴いてあげるべきです。
3.話を聴いてあげることでもすぐには回復せず、一時的により一層落ち込んでしまうことがありますが、いずれ必然的に落ち込みから回復します。落ち込んだ時に一緒にいて話を聞いてくれるということだけでも、女性には大きな安心となり、あなたの深い愛情を知ることでしょう。
〜〜〜
問題は男性が一人になりたい時に女性が落ち込んでしまう場合です。言わば双方が同時に相容れない必要を感じる場合ですが、この場合はどうすればよいでしょうか?
以下のステップが勧められます。
1.どんなに相手を愛していても、自分には限界があることをまず認めましょう。自分の気持ちが聴ける状態でないときに、相手の不満を聴こうとするべきではありません。
2.相手が落ち込んでいることを否定してはいけません。自分の気持ちを否定されると、相手は見捨てられたという思いになります。
3.「今はどうしても話を聴いてあげることができないが、明日─もしくは適当な期限に─必ず時間をつくるから、それまで待って欲しい」と約束します。無理に聴こうとして口論に発展するよりも限界を認めることの方が建設的です。
4.その間、落ち込んでいる女性の話を聴いてくれる友人/親戚などのサポートがあることが好ましいです。自分の感情を支えてくれるサポートを夫だけに求めることは通常、男性の容量を超えてしまい、うまくいきません。
"Men are from Mars, Women are from Venus" (John Gray) 第7章 "Women are Like Waves" からでした。
8.男性と女性の主な必要は違うのです
男性と女性の主な精神的必要はそれぞれ違うそうです。
相手の必要を理解していないと、自然に自分の必要とすることを与えようとするので、どんなに互いが好きあっていても、互いに自分が本当に必要としていることを得られず、徐々に不満を感じるようになります。
このような夫婦は、互いにどちらも、自分は相手に愛情を与えてばかりいて、なにも愛し返してもらっていない、と考えてしまいます。
例えば女性は親身になって心配して、いろいろ尋ねてあげるのが、愛情だと考えますが、これが男性にとっては非常に苛立たしいことである場合です。女性は愛情を与えているつもりでも、男性には全く伝わらないどころか、マイナスの働きをする、ということです。
同様に、女性が問題を話した時、男性は問題の解決策を示すか、もしくは一人にしてあげるのが愛情だと考え、放っておこうとしますが、これが女性にとっては非常に苛立たしいことである場合です。男性は愛情を与えているつもりでも、女性には全く伝わらないどころか、マイナスの働きをする、ということです。
互いに相手を好きであるだけではうまくいかず、相手のことを理解しなければなりません。
〜〜〜
以下の項目は多かれ少なかれ男女平等に必要なことですが、特に男性は
信頼されること
受け入れられること
感謝されること
誉められること
賛成されること
励まされることが必要であり、女性は
気にかけてもらうこと
理解されること
大事にされること
一途に愛されること
認められること
安心させられることが必要です。
女性が小言を言えば、男性は自分が信頼されていない、受け入れられていないと思うようになります。
女性が男性にしてくれることに対して感謝せず、してくれないことばかりに不満を述べれば、男性は感謝されない、誉められていないと感じるようになります。
男性がなにか物事を決めたり、率先して事を進めようとしたとき、女性が男性を正そうとしたり、批判したりすれば、男性は賛成を得られない、励まされない、と思うようになります。
逆に男性が女性の話を注意を向けて聞こうとしなければ、女性は自分が気にかけられていない、理解されていないと感じるようになります。
女性が落ち込んでいることに対して男性が怒ったり非難したりしようとすれば、女性は自分が大事にされず、愛されていないと思うようになります。
女性が感じていることを否定しようとしたり、無視しようとしたりすれば、女性は認められていないと感じ、安心を得られません。
男性が女性を気にかける、理解する、大事にする、一途に愛する、認める、安心させることに努力すれば、自然と女性はそのような男性を信頼し、受け入れ、感謝し、誉めたたえ、賛成し、励まそうとするようになるでしょう。
逆に女性が男性を信頼し、受け入れ、感謝し、誉めたたえ、賛成し、励まそうとするならば、自然と男性はそのような女性を気にかけ、理解し、大事にし、一途に愛し、認め、安心させようとするようになるでしょう。
与えてくれないことをまず批判しようとするならば、相手は自分を無視しようとするか、自己を守ろうとしてむきになるか、もしくはいやいやながらに従おうとして、逆に不満の感情をつのらせてしまいます。そのような関係から愛情がなくなるのは時間の問題でしょう。
相手の必要を理解し、その必要をまず自分が相手に与えようとしなければなりません。相手の精神的必要を満たすことで、相手は必然的に自分への愛情を一層感じるようになります。その上で相手に自分の本当の必要を知ってもらえば、相手が自分の精神的必要を満たすために努力を始めることは時間の問題でしょう。
"Men are from Mars, Women are from Venus" (John Gray) 第8章 "Discovering Our Different Emotional Needs" からでした。
9.口論しないために
口論をした方が良いと考える人もいますが、それはむしろ口論をどうしてもやめることのできない人たちが、するべきではなかった、と否定的に考えるよりは、前向きに考えられるという程度のメリットしかないのではないでしょうか。
互いを傷つけあう口論は全くするべきではありません。
そのような口論一回につき、関係を修復するための長い時間を必要とするか、もしくは全く取り返しのつかない傷を互いに負わせていることだ、といっても過言ではありません。
ある夫婦はいつも口論して、互いに対する愛情を次第に失っていきます。
ある夫婦は、特に片方が、口論を避けるために、自分の不満を押し込んで、しかし結局は相手に対する愛情を失っていきます。
前者は言わば交戦状態、後者は言わば冷戦状態と言えるでしょう。
互いに相手の考え方を理解しないと、簡単に口論が始まってしまいます。
相手との関係が近ければ近いほど、互いに違う考え方を持っていることに否定的になりますが、むしろどんなに近い関係でも相手と自分はそもそも違う考え方を持っているのだ、と理解することが必要です。
口論では、自分と相手が違う意見を持っているということよりも、むしろ相手の言葉と態度によって深く傷つくのです。
自分と相手が違う意見を持っていることは避けられませんが、話し方や態度は変えることができます。口論は言い方や言うタイミング、態度を変えることによって避けることができるのです。
〜〜〜
夫婦はなにか特定のことが原因で口論を始めますが、口論が始まると、普通、夫婦はその原因のことではなく、むしろ相手の口論の仕方について口論するようになるようです。
そのようなとき最初の問題に関する議論はどこかへ行ってしまい、相手が自分に対して愛情のある話し方ができないことが原因で延々と口論が続きます。
口論は普通、問題の原因解決に大変なりにくいか、もしくは全くならないのです。
自分が正しいと思っているときこそ、人は相手に対する心遣いを失くしてしまいます。
逆に自分が間違っていることが分かっているときにも、特に男性が、自分を守るために相手を攻撃するようです。
どちらがより「キレるか」という競争をして、最後にキレた人が、自分の望んだとおり相手を従わせ、原因を解決したように見えることがあります。しかし、自分がキレたことで失ってしまった相手の自分に対する愛情に比べたら、そのような問題解決はまったく価値がありません。
それは相手が自分の思うとおりにしてくれるようになった勝利ではなく、相手が自分に対する愛情を失ってしまった敗北となります。
口論することが問題の解決にならないことを十分に理解することは、口論を避けるまず第一歩と言えるでしょう。
〜〜〜
口論を避ける以下の方法は短期的には口論がなくなるかのように思われますが、長期的には関係構築を妨げる大きな原因となり、全くするべきではありません。
1.口論を避けるために相手を無視しつづける。
2.口論を避けるために相手に嘘をつく。
3.口論を避けるために相手の言いなりになる。
多くの場合、相手は自分の意見に全く反対することで口論になるというよりも、むしろ、自分の言い方、接し方が原因で口論になります。
口論を避ける最も良い方法は、口論になりそうになる前に休憩時間をとって、自分の話し方、接し方を考えることです。
相手の感情的必要を自分が満たしてあげているかどうかを考えてみてください。(8章参照)
自分の話し方、接し方が、相手が自分の愛情を感じられるものであるかどうかを反省してみてください。
特に男性は、女性がなにかに不満を持っていることに関して、「そんな不満を持つべきではない」という態度を改めましょう。
例えば、「今日は一人で寂しかった」という女性の不満は、たとえ男性が一人で寂しいと感じないからといって、否定することはできません。それは女性にとって、本当に切実なものであり、満たしてあげるべき必要です。
特に女性は、男性がなにか自分の期待に足らないことに関して、「ここはこうするべきだ」という態度を改めましょう。
例えば、「口うるさくいってもらいたくない」という男性の不満は、たとえ女性が自分は相手が良くなるように相手を想って言っていることでも、男性にとっては自分は相手に受け入れられず、子供のように扱われたのであり、大変自尊心を傷つけられることです。それは男性にとって、本当に切実なものであり、理解してあげる必要があります。
"Men are from Mars, Women are from Venus" (John Gray) 第9章 "How to Avoid Arguments" からでした。
10.相手に好かれるには?
男性はなにか大きなことをしたとき─車を買ってあげるとか旅行に出かけるとか─女性が自分のことを大きく評価してくれると考える傾向があります。
なにか小さなこと─ごみを捨てに行くとか荷物を持ってあげるとか─では、相当に小さな評価しかしてくれないと考えがちです。
そのように考える男性は、なにか大きなことを目指す労力を費やそうとはしますが、小さいことは無意識的にも軽視しがちです。
言わば男性は、大きなことでは30点をもらい、小さなことでは1点しかもらえないと考えます。
ところが女性は自分がしてもらいたいと思うことに対して、大きなことでも小さなことでもほぼ同様の評価を与える傾向があります。
すなわち旅行に出かけることもごみを捨てに行くことも自分がして欲しいことをしてもらったという同様の1点の評価をするということです。
なにか大きなことをして、30点稼いだ気になっている男性は、女性も30点分だけはお返しに自分の好きなことをしてくれるだろうと期待し、女性にとっては実は1点分の価値しかないことを理解できません。
逆に女性は自分はいろいろな小さなことをやって30点稼いでいるのに、相手は1点分しかなにもしてくれないと考え、どちらも自分はこれだけやっているのに、という思いになり互いに相手に対して不満を持つようになります。
男性は女性が大きなことも小さなことも同様に1点の評価をするということを理解しなければなりません。
女性に良い評価をされる小さなことの例を下にいくつか挙げましょう。(はじめ注:洋風です)
1.家に帰ってきたら、なにをするよりもまずあなたのパートナーを見つけて抱きしめてあげましょう。
2.相手の一日がどんなものであったか具体的な質問をしましょう。
3.聞くことと質問することの練習をしましょう。
4.相手の問題に対してすぐに解決法を提案するのを止めて、まずは同情するようにしましょう。
5.20分間、集中して話をする時間を作りましょう。
6.なにげなく、また特別の日に花を持って帰りましょう。
7.デートをするとき、その日になって相手に「なにをしたい」と聞くより、前もって計画しましょう。
8.もし相手が普段夕食をつくるのであれば、相手が疲れている時や忙しそうな時、代わりに夕食をつくることを提案しましょう。
9.相手の美貌を誉めてあげましょう。
10. 相手がなにかを心配している時、心配していることを認めて、理解してあげましょう。
(はじめ注:11から99を省略しました)
100.相手にこのリストに加えてもらいたいことを聞きましょう。
101.トイレから出る時、中蓋をおろしましょう。
大きなことだけでなく、これら小さなことを続けることで、女性の愛情が満たされるようになります。
〜〜〜
女性は相手がなにか小さなことでも自分に対してしてくれることで愛情を感じるのに対し、男性は女性が自分についてどう評価してくれるのかということで愛情を感じます。
なにか自分が成したことについて尊敬された時、なにか自分が相手にしたことについて感謝をされたとき、また、なにか失敗をしたときにも受け入れられた時、男性は女性を高く評価します。
男性に良い評価をされる例を下にいくつか挙げましょう。(はじめ注:これまた洋風です)
1.相手が自分にしてくれる小さなことに笑顔を持って「ありがとう」と言いましょう。もしかしたら相手のしてくれることは完璧ではないかもしれませんが、多少のミスは見逃してあげるべきです。
2.相手がなにか失敗をしたとき「だから言ったでしょう?」とか「こうすればよかったのに!」とか言わないようにしましょう。
3.相手が自分をがっかりさせたとき、相手に罰を与えようとしないようにしましょう。
4.相手が運転していて道に迷った時、責めないで受け入れてあげましょう。
5.なにかとってくることを忘れた時、責めないで、「次に行ったとき、とってきてくれる?」と言いましょう。
6.要求ではなくお願いをしましょう。
7.相手が一人になりたい時、気持ちよく行かせてあげましょう。
8.帰ってきたとき、相手を拒否しようとせず受け入れてあげましょう。
9.相手が失敗して非を認め謝ったとき、愛をもって赦してあげましょう。相手の失敗が大きければ大きいほど、自分に対する愛情も大きくなります。
10.喧嘩の後、相手が繕おうと自分に対して小さなことをいろいろしてくれるとき、感謝をしましょう。
11.相手が家に帰ってきたとき、笑顔で迎えてあげましょう。
(はじめ注:以下省略...)
他人と比べることなく、相手の足りないところを責めるのでなく、相手の良いところにまず気づいて評価してあげることで、男性の愛情が満たされるようになります。
"Men are from Mars, Women are from Venus" (John Gray) 第10章 "Scoring Points with the Opposite Sex" からでした。
11.相手に不満を伝えるには?
心配しているとき、がっかりしているとき、不満に思っているとき、怒っているとき、愛情を示しながら相手と話すことは大変に難しいです。
無理に話そうとすると、相手がしてくれている良いことすべてをきれいに忘れ、相手の足りないところを責めて、無意識的にも相手に罪悪感を負わせようとします。自分の言葉や態度が如何に相手に傷を負わせることかを互いに自覚できません。
このようなとき、自分の想いを手紙にすることが薦められます。
手紙にすることには以下の利点があります。
1.相手を傷つけることなく、自分の感情を評価することができます。
2.もし自分の言い方がどれだけ愛情の無いものであったかを自覚するなら、相手が受け入れやすいように時間をかけて言葉を選ぶことができます。
3.自分の素直な気持ちを感情的にならずに伝えることができます。
4.手紙を書くだけで自分の考えをまとめて、相手に見せなくても相手に愛情ある接し方ができるようになる場合があります。
相手が理解をもって聞いてくれていると想定しつつ、以下の要素をこの順番に書いてみましょう。
1.怒っていること。
2.悲しんでいること。
3.恐れていること。
4.謝りたいこと。
5.相手への愛情。
6.相手にどのように応答してもらいたいか。
6.は相手が自分を理解してくれたと想定しつつ、自分がどのように相手に応答してもらいたいかを書くことです。(下に例があります。)ここでは自分の否定的な感情を受けつつ、愛情を持って接することが相手にとって如何に難しいことかを学ぶことができます。
なぜ自分からわざわざ相手にどのように応答してもらいたいかを書かなければならないのか、大変疑問に思う人もいます。愛情をもっているなら、その愛情で自然にでてきた言葉に意味があると思うからです。
もし父親がいつも母親の不満に、愛情をもって応答してあげられるような家庭に育ったのなら、もし母親が父親を責めないで、愛情をもって接してあげられるような家庭に育ったのなら、このような能力が自然に身につくものですが、そうでもなければ、男性も女性も難しい時に互いに愛情をもって応答することを全く学んでこなかったと言えるでしょう。なにも学ぶ機会が無ければ、相手がどのような応答をしてもらいたいのかを察することは大変に難しいか、単に不可能なのです。
相手が今まで言った事もないようなことを自然に言えるようになるには、時間がかかり、初めのうちはぎこちなく、なんだか自分が聞きたいことを口で言っているだけのように感じますが、自分が聞きたいことを相手に教えることで、相手はどのように応答したらよいのかを徐々に学び、自身の自然な言葉とすることができます。
例えば、以下は相手が自分を全然、助けてくれないことに対する手紙の例です。
〜〜〜
はじめさん。
必要な時に進んで助けてくれないことを、とても怒っています。いつもお願いしなきゃいけないことを、怒っています。お願いしてもしてくれないことがあることを、怒っています。わたしが一生懸命やっているのに、分かってくれていないことを、怒っています。
進んで助けてくれないことが、とても悲しいです。一人でいろいろなことを心配しなきゃいけないことが、悲しいです。あなたに対して怒っていることが、悲しいです。
あなたを怒らせるのが怖いです。自分の素直な気持ちを言って、受け入れられ無かったらと思うと怖いです。もしあなたがわたしのことを全然気にかけてくれなくなったらと考えると怖いです。あなたの助けなしではいつか疲れきってしまってやっていけないと思うことが怖いです。
こんなに否定的な想いになって、ごめんなさい。良いこともたくさんしてくれているのに十分に感謝できなくて、ごめんなさい。不満ばかり言っていること、責めてばかりいることを、ごめんなさい。
あなたをとても愛しています。あなたが一生懸命仕事をしていることを知っています。あなたが子供たちを愛する良い父親だということを知っています。あなたが私のことを気にかけてくれることを信頼しています。
追伸
あなたに下のように応答して欲しいです。
手伝いにあまり乗り気でないことで、どんなに君が傷ついているかを十分理解したよ。こんな足りない自分でも愛してくれてありがとう。僕だって君を心から愛しているから、これからは進んで助けるよう努力する。どうか赦して欲しい。
〜〜〜
このような手紙を書くことは口論で想いを伝えることよりずっと建設的ですが、それでも相手が手紙に愛情をもって応答できない場合があります。そのような場合には相手にも上のような手紙を書いてもらうことが薦められます。
"Men are from Mars, Women are from Venus" (John Gray) 第11章 "How to Communicate Difficult Feelings" からでした。
(はじめ注:互いに上のような手紙を書いて相手に渡すことを承知している場合でもないかぎり、実践することはなかなか日本の人には当てはまらないと思います。ですが、4 章にもあるように、自分の想いを言葉にして自己評価することで、相手に対する接し方を考えることの助けにはなると思うのですが、いかがでしょうか?)
12.男性のサポートを得るには?
一般に妻は夫にサポートを言葉でお願いすることを嫌います。
自分自身がなにもお願いされないのにいろいろ気づいてことを行うので、相手も自分がリクエストしなくても、自ら進んでいろいろしてくれるべきだ、と考えるようです。
なにも言わなくてもサポートしてくれることを、無意識的にも相手が自分を愛しているかどうかのテストにしているのです。
このような考え方では相手のサポートを受けるのは大変難しいか、もしくは単に不可能です。なぜなら男性は女性と単純に違う考え方をするからです。それはどちらがより良い、ということではなく、単に考え方の違いです。
例えば、男性が「心配なんてするべきではないのに、してしまうのは女性が悪い」と思ってしまってはうまくいかないように、女性は「自分がお願いしなくてもするべきなのに、しないのは男性が悪い」と思ってしまってはうまくいきません。
お願いをしなければ男性はなにもしてくれませんが、難しいのは、間違った方法でお願いをしても、また、男性はやる気を失ってしまうことです。
それではどうしたら、お願いをして男性のサポートを得られるようになるでしょうか。
次の三つのステップが薦められます。
ステップ1.すでにサポートしてもらっていることについて、正しくお願いできるように練習します。
ステップ2.未だサポートしてもらっていないことについて、正しくお願いできるように、また、相手が拒否したときに受け入れられるように練習します。
ステップ3.わがままなくらいのお願いができるように練習します。
〜〜〜
ステップ1.─正しくお願い
最初のステップはすでにやってもらっている小さなこと─物を運ぶとか、何かを直すとか、片付けるとか、などなど─について正しくお願いする練習をすることです。
ここで重要なことは、男性がもうすでにやっている小さなことについて、やってくれることに対して「当たり前だ」と思わないことです。お願いし、やってくれたなら、言葉と態度と笑顔で感謝しましょう。
なにもお願いしなくても相手がなにかしてくれるべきだと思わないようにしましょう。要求の口調ではなくお願いの口調ができるように練習します。
正しいお願いとは
1.適当な時が必要です。
相手がもうすでにやろうとしていることについてはお願いしません。ごみを捨てに立ち上がったことが分かっているのに、そこで、「ごみすてをお願いできます?」とは言わないでください。また相手が何かに夢中になっている時、すぐにはお願いを聞いてくれると期待してはいけません。
2.要求でない口調が必要です。
相手がすることを当たり前だと思ってしまうと、自然と言葉と態度に表れてしまいます。当然のように要求されると男性はやる気を失ってしまいます。自分がこんなにやっているのに、という思いで一杯になっていたら、自分のやることを減らしてみることが薦められます。
3.簡潔さが必要です。
女性は無意識的にも自分のお願いを正当化するためにいろいろ理由をつけてしまうものですが、これは全く逆効果です。理由をいろいろならべると、男性は、自分はなにも知らない、または、信頼されていない、というメッセージを受け取ってしまいます。なにがして欲しいのかのお願いだけをして、理由はつけません。もし男性が本当にお願いの理由を知らない場合はそう聞いてくるでしょうから、そうしたら短く理由を付け加えます。
4.率直さが必要です。
女性は直接的でなく、間接的なお願いをする傾向があります。たとえば「ゴミ箱が一杯ね」という言い方は間接的に捨ててきて欲しいというお願いをしているのですが、男性にはお願いではなく「あなたは当然ゴミを捨ててくるべきだ」という要求に聞こえます。「ごみ捨てをお願いできる?」というような、直接的なお願いをしましょう。
間接的なお願いは否定されたり無視されたりした時の応答も間接的になるので、拒否されることを恐れる女性が好んで使うものですが、男性ははっきりとお願いをされて、そのお願いをやり遂げることを生きがいとするものです。間接的なお願いではやる気がでません。
「車の中に荷物がおきっぱなしよ」ではなく「車の中の荷物をとってきてくれるかな?」「とってくるの、お願いできる?」「とってきてくださる?」と言う練習をしましょう。(はじめ注:方言では、また個人個人の普段の口調では、どうなるのかよく分かりませんが、お願いをしている、という口調が必要です)
このステップでは男性が行っていることに対して女性が十分に理解と評価をしていることを感じられるようにするのが目的です。
〜〜〜
ステップ2.─拒否を受け入れる
男性がしてくれていることに関して女性が十分に評価していると、男性が感じられるようになったら、第二のステップに移行することができます。
第二のステップは、男性が女性のリクエストを拒否をしたとしても、女性に受け入れられていると感じられるようになることです。
男性は自分の意思で自由にリクエストを受け入れるか入れないかを選択できる時、要求をされる時よりもずっと、お願いを受け入れやすくなります。
第一のステップでは正しくお願いする練習をしましたが、このステップでは「できない」とリクエストを拒否されても受け入れる練習をします。
女性は直感的に自分のリクエストが受け入れられるかどうかを判断し、受け入れられないと感じると、無理にお願いしようとしません。そのようなとき、女性は相手になにも言わなかったのに、勝手に拒否されていると感じていますが、それはすべて女性の頭の中だけで起こったことで、実は男性にはなにも伝わっていないことが多いのです。
このように、相手がおそらくはリクエストを拒否するだろうと予期しつつ、実際にお願いをするのがこのステップです。相手が「いいよ」と言ってくれないと感じていても進んでお願いをし、拒否された時の対応を練習します。
例えば、テレビに夢中になっている夫に妻が、「夕食の買い物をしてきてくださる?」とお願いしたとしましょう。
いままでこんなお願いをされたことのない夫は「いま忙しいんだ。自分で行けないの?」とでも答えるでしょう。
そこで、「いつも買い物に行くのは私でしょう?」とか「たまには手伝ってよ!」とか言ってはいけません。
すでに相手がおそらくリクエストを拒否するだろうことに心の準備をしておきます。そして「じゃあ、私が行くわ」とだけ言います。
これは相手が自分の意思でリクエストを受け入れるか拒否するかを決めることができるようにするための練習です。相手は自由に、妻の愛を損なうことなく、相手のリクエストを拒否できる時、逆に自分からリクエストを受け入れやすくなるのです。
この方法を相手が実際に拒否してもいいときにだけ用いましょう。いままでお願いしても受け入れられていなかったこと、お願いしたことの無いことについてこのような練習をしましょう。
例えば、相手が忙しくて疲れていることが分かっている時、「あなたとお話がしたいの」と言って、相手が「疲れているんだ、今はできない」とか言った時、「じゃあ、いいわ」と言います。
例えば、相手が普段夕食の後の食器洗いをしてくれないと分かっている時、「食器洗いをお願いできるかしら?」と言って、相手が「仕事で疲れてるんだから、休ませてよ」とか言った時、「じゃあ、いいわ」と言います。
重要なのは相手がおそらくはしてくれないということを考慮に入れつつ、拒否された場合に、「じゃあ、いいわ」、「じゃあ、私がするわ」と言って相手が拒否した時にも受け入れられていることを相手が理解できるようにすることです。
毎回、リクエストを拒否されつつ、妻が夫の答えを受け入れるたびに、夫は妻に対してよい印象を持つようになります。良い印象を与えた妻のリクエストは次回受け入れられる可能性が高くなります。
思いがけず、今まで聞いてくれなかったようなリクエストが受け入れられたときには、今までどおり言葉と態度と笑顔でもって感謝を表しましょう。
〜〜〜
ステップ3.─何度もお願いする
ステップ2で相手が拒否することを、優しく受け止めてあげられるようになったら、第三のステップに移行することができます。
このステップではすぐに「じゃあ、いいわ」と言わずに、相手が「いいよ」と言ってくれるまで待つことを練習します。
例えばもう寝る時間になったとき「牛乳を買ってきてくださる?」とお願いしたとしましょう。
夫は「もう遅いし疲れたよ。」とでも言うでしょう。
今までは「じゃあ、いいわ」と言っていましたが、ここで何も言わずに、相手の次の言葉を待ちます。
ここで夫がなにかぶつぶつ言いだしたら、それは実に良い傾向です。
ぶつぶつ言うのは愛情がない現われではなく、夫が如何に頼まれたことを面倒だと思うかの現われで、面倒だとは思いつつ、やろうか、やるまいかを考えているのです。なにか個人的なことを攻撃するような言葉も使うかもしれませんが、それは全部無視して、気にせず、とにかく言い返さないで夫がどうするかを待ちます。
もし黙っていることが大変に不自然なことを聞かれたら、短く答えてまたお願いします。
例えば「自分で行けないの?」とか聞かれたなら、「お願いできないかしら」ともう一度お願いし、答えを待ちます。答えるのに多くの理由をつけてはいけません。
もし三度─もしくは自分がこれ以上はと思うまで─断られたら、ステップ2の通りに、「じゃあ、いいわ」と相手の拒否を受け入れます。このことで相手に対して怒ってはいけません。相手はまだ、ステップ3に移行する準備ができていないのかも知れません。
ここで相手の拒否を受け入れることは、次回、相手が自分のリクエストを受け入れる可能性をさらに高めます。もしぶつぶつ言いながらもリクエストを聞いてくれたら、ステップ1で行ったように、言葉と態度と笑顔でもって感謝をしましょう。
女性が話を聞いてもらい、同情してもらうことがどうしても必要なように、男性も受け入れられ、感謝されることをどうしても必要としています。この三つのステップを練習することによって、男性は自分が相手に感謝され、受け入れられていることを体で感じて、きっと相手をもっとサポートしたいと思うようになることでしょう。
"Men are from Mars, Women are from Venus" (John Gray) 第12章 "How to Ask for Support and Get It" からでした。
13.愛情を保ち続けるために
以下のような経験をしたことはありますか?
1.相手に愛されていると感じていたのに、次の日には相手の言葉や行動にひどくイライラしたり、相手に対して憤慨したりする。
2.相手のことを愛していると感じていたのに、次の日には相手に対して不満を持ったりいろいろ要求したりする。
3.互いに愛し合っていたと感じていたのに、次の日には喧嘩して離婚を口にしたりする。
4.相手がとても優しいことをしてくれたのに、昔、必要な時に優しくしてくれなかったことを一層怒り出す。
5.相手にとても惹かれていたと思っていたのに、急に一緒にいてもときめかなくなる。
6.相手に満足していたと思っていたのに、急に夫婦関係の中で自分が求めていたことを得られないのではないかと不安になる。
7.相手が自分を愛していてくれることを確信していたのに、急に確信が持てなくなる。
8.相手に対して寛容だったのに、急に批判的になったり怒り出したりする。
9.相手にとても惹かれていたと思っていたのに、相手が自分に尽くしてくれるようになると、むしろ他の誰かに惹かれるようになる。
10.相手とセックスしたいと思っていたのに、相手がしたがる時、自分はしたくなくなる。
11.人生にとても満足していたのに、急に自己を卑下したり、見捨てられた思いになったり、自分は足りないものだと思ったりする。
12.相手と時間を過ごしたいと思っていたのに、相手が言ったちょっとしたことで、ひどくがっかりしたり、落ち込んだり、不快感を感じたり、疲れたり、感情的に遠く感じたりする。
このような感情の急変が起こることは一般的のようです。
多くの場合、過去に起こったこと─両親に愛されなかった、過剰に干渉された、過去のパートナーに拒否された、現在のパートナーの過去の失敗、など─に対して、未解決のままの自分の感情に原因があるそうです。
普段、そのような未解決の感情は、深層意識の中に閉じ込めておくことができますが、特に相手に愛されていると感じ安心を得た時などに、あたかも安心を得られた自分のパートナーによって癒されたいと、表層意識に現れるようになります。
現在、パートナーにどれだけ愛されても、この未解決の感情によって、相手を愛する感情を一時的にも失くしてしまうことがあるそうです。
互いの未解決の感情を、夫婦がうまく対処すれば、相手をより一層、好きになることができます。
逆に、互いの未解決の感情に対して非難したり、口論したりすれば、未解決の感情は癒されないまま、深層意識に閉じ込められ、再び浮上する日を待つようになります。
〜〜〜
未解決の感情は考えないようにしたり、なにか他のことに没頭したりすることによって、一時的に忘れることができますが、解決されないといつまでも夫婦関係を阻害する原因の一つとなります。
どうやってこのような未解決の感情に対処することができるでしょうか?
未解決の感情は愛する自分のパートナーと分かち合うことで癒されることができます。
以下の方法が薦められます。
1.自分が怒っていることを言葉で書いてみましょう。書きながら過去に起こったなにが原因なのかを考えてみます。
2.もし特定の人物が原因であることが分かったら、その人に対して11章のような手紙─怒っていること、悲しんでいること、恐れていること、謝りたいこと/残念に思っていること、相手への愛情、相手にどのように応答してもらいたいか─を書いてみます。(はじめ注:謝りたいこと=残念に思うこと、英語では feel sorry でどちらも同じ語)
3.書いた手紙を自分のパートナーに読んでもらいます。自分の過去に対する本当の感情を相手に理解してもらえることで、未解決の感情は徐々に薄れていくでしょう。
"Men are from Mars, Women are from Venus" (John Gray) 第13章 "Keeping the Magic of Love Alive" からでした。
(はじめ注:上を実践するにはある程度、夫様と良い関係をすでにもっている必要があると思います。経験から、互いの過去も分かち合うことでより一層深い関係を築くことが確かにできると思います。 )
今回で "Men are from Mars, Women are from Venus" シリーズは一応終わりです。日本語版、ないと思ったらありました。
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