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1.はじめに
2.男性は解決したがり女性は小言を言いたがる
3.男性は一人になりたがり女性は話したがる
4.相手をやる気にさせるには
5.どうしたら言葉のすれ違いをなくせるか
6.親密になるには─男性の場合
7.親密になるには─女性の場合
8.男性と女性の主な必要は違うのです
9.口論しないために
10.相手に好かれるには?
11.相手に不満を伝えるには?
12.男性のサポートを得るには?
13.愛情を保ち続けるために
1.はじめに
恋愛結婚をした人はきっと、互いのことが好きで好きでしょうがなかったのではないでしょうか。
初めのうちは。
結婚して一緒に生活するようになると、相手のいやなところが見えてくる。
仕事や育児でストレスが溜まれば、相手にやさしくし続けることができないときもある。
思ったことをそのまま言葉にして傷つけ合えば、初めの愛情も冷めてしまうでしょう。
互いのことをいつまでも好きでいたいと思いませんか?
"Men are from Mars, Women are from Venus" (John Gray) という本があります。
90年代のベストセラーのひとつだったそうです。
この本のメッセージは、男性と女性は根本的に違うもので、この違いを理解することによって、結婚生活を豊かにすることができる、というものです。
相手のことを理解しないがために余計に苛立ち、余計に傷つき、余計な喧嘩をしてきたとしたら…
まだ互いを好きで好きでしょうがなかったときに、この本を二人で読んでおけば…おそらく多くの人のその後の結婚生活が変わっていたのではないか、と僕は大げさながらにも思っています。
もちろん読むだけでなく実践しなければ意味がありませんが。
結婚生活がうまくいかない根本的な問題は、人は誰も自分勝手なこと。
それでも誰かを好きになったときには、人は自分でなく他人のことを思いやることができる。
その状態を長く続けることができたなら、きっと違った関係が築けたのではないでしょうか。
もしまだ互いに良い関係を築きたいと願うことができるなら、まだ遅くはないと思います─思いたいです。
これからこの本のメッセージをまとめてみようと思います。
当然、洋風の考え方で、日本の方には当てはまらないことも多分にあるとは思いますが...
2.男性は解決したがり女性は小言を言いたがる
男性がなにか問題があったことを話すとき、男性は普通、同情よりも問題の解決策をまず求めるそうです。
女性がなにか問題があったことを話すとき、女性は普通、問題の解決策よりも同情をまず求めるそうです。
だから例えば、妻が夫になにか、これこれこういう問題が今日あった、という話をすると、夫はよく聞きもしないで、こうすればよかったじゃないか、ああすればよかったじゃないか、と言う。
こういう夫は相手を愛していないわけではなく、自分なりに相手を想って解決策を提案しているのに、妻は相手が自分の話をしっかり聞いてくれない、自分の辛かったことを理解してくれない、と思うようになります。
妻が続けて問題の話をすれば、自分の解決策は役立たずだと言われんばかりに夫も、妻が自分の能力を認めてくれていない、と思うようになります。
問題は相手がどんな考え方をするのか互いに理解していないこと。
この場合は特に男性が、親身になって話を聞いてあげることがいかに女性にとって大事なことか、まず理解するべきです。
しっかり相手を見つめ100%自分の注意を向けて話を聞いてあげることで、相手はあなたの深い愛情を感じることでしょう。
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相手の困っていること、足りないところ、向上できそうなところに自分から気づいて相手に助言をすることを女性は美徳だと思うそうです。
愛している相手をより良くしようと、普通、小言を言うのです。
ところが男性は頼まれもしないのに誰かから、こうすればいい、ああすればいい、と言われることは、なにか自分が足りないものであると言われたみたいで大変、傷つきます。
だから例えば、夫が運転して道に迷った時、夫はなんとか自分で問題解決しようと試みますが、そこで妻が「誰かに道を聞いてはいかが?」と「助言」することは、なんの解決にもならないばかりか─夫もそんなことは分かっているけど、できることなら自分で解決したいと躍起なのです─自分の能力が信頼されていないと思ってしまうのです。
この場合は特に女性が、相手が一生懸命問題を解決しようとしているときに余計な口をはさまず、小さなミスは受け入れてあげるべきです。
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この本のアドバイスです。
もしあなたが女性なら、次の一週間、求められもしないのに助言することや小さなことを批判することを全くやめてみましょう。相手はきっと自分が受け入れられていることであなたに対する愛を示すようになるでしょう。
もしあなたが男性なら、次の一週間、相手が話している時いつでも、自分の注意のすべてを向けて、相手がなにを分かってもらいたいのかを理解することに努めましょう。相手はきっと自分が理解されていることであなたに対する愛を示すようになるでしょう。
"Men are from Mars, Women are from Venus" (John Gray) 第2章 "Mr. Fix-It and Home-Improvement Committee" からでした。
(はじめ注:では相手にどうしてもして欲しいことがあったとき、どうするか、は4章、11章、12章で話題になります。当然、個人個人でバラエティがあるべきで、同情をまず求める男性とか小言を嫌う女性とかいるわけですけど、一般論としてだいたい合っているような気がします。みなさん、どう思われますか? )
3.男性は一人になりたがり女性は話したがる
まだ互いのことが好きで好きでしょうがない時、相手が原因でストレスがたまることは少ないです。
それでも他の原因で─仕事、家事、人間関係、妊娠、出産、育児などなど─ストレスがたまったとき、自分のパートナーに対しどう接するかで、互いに助け合う夫婦になるのか、傷つけあう夫婦になるのか、決まってしまうかもしれません。
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一般的に、男性と女性とではストレスの対処の仕方が違うそうです。
男性は一人になりたがり、女性は誰かと話したがる。
忙しい一日が終わった時、男性は一人でニュースでも読むことでリラックスしたがります。
忙しい一日が終わった時、女性はその日の問題を誰かに話すことでリラックスしたがります。
そういう二人が忙しい一日を終え、一緒の時を過ごそうとすると、なかなかうまくいきません。
夫は妻がしゃべりすぎると思うし、妻は夫に無視されているように感じるのです。
男性は普通、自分の問題を話したがりません。問題があってイライラしているのに、なにが問題なのかを話そうとしないのです。
問題があるとき人に話したがる女性は、このような男性の心理を理解しません。
イライラの原因が自分にあるのか?なぜ自分が無視されるのか?理解出来ない女性は、自分は愛されていないと感じるようになります。
女性は普通、自分だけの問題でなくいろいろな問題があることを話したがります。いろいろな問題があることを話すこと自体がストレスの解消になっているのです。
問題があるとき人に話したがらない男性は、このような女性の心理を理解しません。
なぜそんなに不満があるのか?自分はそんなに足りないのか?理解出来ない男性は、自分は愛されていないと感じるようになります。
互いの違いを理解しないと、二人の間の葛藤は少しずつ衝突/対立となっていきます。
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どれだけ互いに対する愛情があっても、なかなかこの問題を解くことはできません。
どれだけ互いに相手のことを理解しているかがこの問題を解くカギになります。
女性は男性がストレスに陥っている時、男性が一人でリラックスすることが必要であることを理解しなければなりません。一人になりたがることは、愛情のなさの表れではなく、男性のストレスに対する対処の仕方であることを理解しましょう。
男性は女性がストレスに陥っている時、女性が問題について聞いてもらうことが必要であることを理解しなければなりません。自分ではどうしようもないような問題をいくつも話したがることは、愛情のなさの表れではなく、女性のストレスに対する対処の仕方であることを理解しましょう。
"Men are from Mars, Women are from Venus" (John Gray) 第3章 "Men Go to Their Caves and Women Talk" からでした。
(はじめ注:当然一人になりたがる女性や話したがる男性もいるわけですが、大事なのは相手のストレスに対処する仕方を理解してサポートしてあげることです。次回は「どうしたら自分のして欲しいことを相手にやる気にさせるか」です。 )
4.相手をやる気にさせるには
!doctype>どうしたら相手をやる気にさせることができるでしょう?
一般的に、男性は必要とされること、評価されること、感謝されることがやりがいとなるそうです。
一般的に、女性は満たされること、大事にされること、仕えられることがやりがいとなるそうです。
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男性は誰かに必要とされた時、そのお願いをやり遂げることがやりがいとなります。
なにもお願いされなかった時、男性はなにもやる気になりません。
お願いをやり遂げた時、感謝も評価もされなかった場合、次のお願いをやる気もうせてしまいます。
ここが難しいところなのですが、男性はお願いをされるのは、嬉しいものですが、誰かに要求されることは嫌います。
女性は、言われなくてもいろいろなことに気づいて、自分からあれをしたりこれをしたりすることが、愛情の現われであると考えがちです。
仕えられることが愛情であると感じている女性は、自分も相手に仕えようとするからです。
そういう女性は、男性も、女性がなにも言わなくても、自分から気づいていろいろなことをしてもらうことを、無意識のうちにも期待してしまいます。
愛しているなら、自分がなにを言わなくても、相手が自分に仕えてくれるべき...
ところが男性には、自分から進んで、という部分が生まれつき欠けています。
「お願い」しなければ、なにも自分から進んでやろうとはしないものなのです。
相手が言われなくても自分から気づいてことを行うべきだ、と考えている女性は、男性が言われなければ何もしないことに大変不満を持ち、「お願い」をしなければならないこと自体に不満を持ちます。
そういう女性はいざ、「お願い」をしようと口を開くと、「お願い」ではなく、あなたは当然これをするべきだ、という「要求」の口調になってしまいます。
男性は要求されることを大変嫌います。あなたは当然これをするべきだ、気がつきもしなかったあなたはなんという能無しでしょう、というメッセージを受けてしまった男性は小さなことでも、ムッとして要求を呑みにくくなります。
女性は「お願い」と「要求」をはっきりと区別しなければなりません。
お願いするなんて、プライドが許さない、男女平等で、私がお願いもされないのにこれだけやってるんだから、夫も私がお願いしなくても、これだけやるべき、という考え方は男女の根本的な違いをまったく無視していて、多くの場合うまくいきません。
(はじめ注:では、どうやって今まで「要求」してきたことを「お願い」に変えていくのか、どうやって上手に「お願い」するのか、「お願い」を聞いてもらえないとき、どうするのか、は 12章の話題です)
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